「生活を楽しむ」ことが、発病リスクを抑える

9月30日、朝日新聞の記事に「楽天家の男性は脳卒中リスク低め 厚労省9万人調査」というタイトルで、厚生労働省研究班の調査結果が紹介されていました。
研究内容では、男女8万8175人を対象に、「自身の生活を楽しんでいるか」というアンケートの結果と、循環器病との関係を調査。
男性で「楽しんでいる」意識が低いグループは、高いグループに比べて脳卒中の発症リスクは1.28倍、狭心症や心筋梗塞の発症は1.22倍と高くなったという結果が出たそうです。
なぜか女性には関連がみられなかったそうです。
「自身の生活を楽しんでいる」と思っている人が、必ずしも記事タイトルのような「楽天家」と言えるかどうかは疑問ですが、前向きな考え方と、病気の関係を表している興味深い調査結果と言えるでしょう。
心の悩みをかかえ、ストレスを感じている人が「病気」になりやすい、という統計結果を見ることがありますが、「生活を楽しむ」「前向きに考える」というポジティブ思考が、健康に善い結果を与えるという統計は、あまり見ることがありません。
「健康」だから「前向き」なのか、「前向き」だから「健康」なのか。
果たして、どちらが先でしょう?
当然ながら「健康」な人は、自分のやりたいことが病気で邪魔されることがありませんから、特に心の悩みをかかえることもないでしょう。
逆に「不健康」だと、病院通いや、それに伴う経済的問題など、ストレスを感じることが多くなることでしょう。
ただ、「不健康」「病気持ち」だからといって、すべての人が悲観的に生きている訳ではありません。死に至る病を持ちながらも、それでもなお「前向き」に生活を楽しむ人を、私は多く見てきました。
ある大きな病気をかかえた知人が言っていました。
「大きな病気をかかえて、それが自分の人生に与えられた苦難と受け止め、悲観する人もあるでしょう。私もやっかいな病をかかえ、周囲の人から哀れみの目で見られることも多いです。
 しかし、私自身はそこまで悩んでいません。むしろ、病も『個性』の一つなのだと考え、『自分』という人間の一部分であると思えて『楽しむ』心が出てくるのです」
 実際その人は、自分の病の体験を通して、同じ病に苦しむ人へ手助けをしたり、また優しく接したり、私も多くのことを彼から学ぶことができました。
そういう境地になるには、やはり何度も辛い思いを通ってきたことがあったそうです。
「心の悩み」というものは、もしかしたら、辛い自分の人生を受け止め、前向きに生きることができるようになる、一つのステップなのかもしれません。